バンクシーのシュレッダーの仕組みはどうなっていた?事件の真相やその後の絵のゆくえ

 

世界的に有名な画家のバンクシーがインスタグラムで新作を発表しました。

バンクシーは今だに正体不明の路上画家で、神出鬼没、いつの間にかあちらこちらに絵を残していくことで有名ですが、絵に込められたメッセージがいつも世相を見事に反映しているんですよね。

今回の絵はコロナウィルスに体を張って仕事をしている医療従事者への敬意を表したものになっています。

子供が、ナースの人形を持って遊んでいる姿が描かれているのですが、ナースの人形はマスク姿で、胸には赤十字マーク、マントを付けて右手を上に突き出しています

そばのおもちゃカゴの中にはバッドマンやスパイダーマンが入っているんですが、男の子が夢中になっているのはナースの人形。

今、世界のヒーローは医療従事者なのだというメッセージが込められています。

バンクシーといえば数年前に世界をあっと言わせた出来事を起こしています。

それがいわゆる「シュレッダー事件」でした。

 

 

バンクシーシュレッダー事件って?

 

バンクシーシュレッダー事件は、2018年の夏に英国王立芸術院という権威ある美術館で起きました。

そこで絵のオークションが開かれたのですが、その中にバンクシーの絵も飾られていました。

その絵の背景には「Vote to L…ve」とと書かれていたのですが、…の部分が赤いハートの風船で隠れてしまっていて読めませんでした。

が、実はそれはその数年前にイギリスで行われたEU離脱のキャンペーンポスターを元にしていることは明らかで、元々は「Vote to Leave(離脱に投票しよう)」であることはイギリス国民なら理解できました。

それをハートの風船で一部隠して「Love」と連想させ、「愛に投票しよう」とするところがバンクシーらしいとそこにいる人たちは感じていました。

ところがその絵がオークションにかけられ、1億5000万円の値が付けられた途端に額縁から自動的に絵が下りてきてシュレッダーにかけられた状態で粉々に裁断されてしまったんです!

これがバンクシーのシュレッダー事件と呼ばれ、この様子は当時、動画でも配信されて世界中の人が唖然としました。

 

 

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バンクシーのシュレッダーの仕組みはこう

 

バンクシー自身が後に公表したところによると、シュレッダーは額縁の下の部分にもともと仕組まれていました。

2つのローラーと、それを回転させるモーター、動かすためのバッテリー、絵を下にずらすためのゴムマットが仕掛けられていて、それらが全く見えないように裏から板で覆われていました。

すべてバンクシーが自分で考えて取り付けた仕組みでした。

本当は絵の上から下まで全てを裁断してバラバラにする予定だったのですが、別の絵でリハーサルをした時は成功したものの、オークション本番では半分まで裁断したところで止まってしまい、失敗だったようです。

本番ではバンクシーの絵が落札された瞬間にシュレッダーが動作するよう、誰かが遠隔操作したのでしょうね。

それにしても手の込んだ仕組みですね。

 

 

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なぜバンクシーは自分の絵を裁断したのか

 

バンクシーはなぜ自分の絵をシュレッダーで裁断してしまったんでしょう?

バンクシーは権威主義や商業主義に批判的で、美術品を富裕層がオークションで売買することに対して否定的と言われています。

美術館にある絵は芸術的に優れていて街角の絵にはその価値はない、というような風潮に対してもです。

今回の絵を最初にオークションに出そうとした時、バンクシーが偽名で申し込んだところ全く価値がないと判断されて落選したそうです。

しばらくしてバンクシー宛てに出品の依頼が来たので同じ絵を出してみたらすんなりと審査に通ったそうです(笑)

今回のシュレッダー事件には、世の中の権威主義や商業主義に対するバンクシーの痛烈な皮肉とアートとは何か?という問いかけが込められていたのかもしれませんね。

 

 

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シュレッダーにかけられた絵はその後どうなった?

 

シュレッダーにかけられてしまった絵はその後、落札した女性がそのまま購入しました。

でも話題を呼んだことで、さらにその絵の価値は上がったそうです。

なんだか皮肉ですね。

その後、絵のタイトルも最初の「風船と少女」から「愛はゴミ箱の中に」に変更されたそうですよ。

何をしても話題をさらっていくバンクシーの絵。

これからもどんな新作が発表されるか楽しみです!

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